『愚か者 赤線と恋を荒らす―』
著者:いとう 満
昭和30年―赤線を廃止する世論が一段と高まっていた。赤線は、国が慰安所として許可した「特殊飲食店」が集まった地域で、店には性を売る娼婦たちがいた。横浜の永真カフェ街や東海一の赤線街・名古屋の名楽園、京都・橋本の歓楽街、博多の新柳町、そんな色街が物語の舞台である。
浜やんは、マリを“売って”店から周旋料を奪う計画を立て、仲間も加わり決行。女将に素人と見破られ形勢が不利になったり、まんまと成功したり…。追っ手の影に怯えながら続く「決行」と夜行電車での「逃避行」。中京、関西、九州・博多、鹿児島、さらに本州に戻り東海地方へと。
そしてある日―恋人のマリが囚われの身となった。「もう、だめだ!」絶対絶命のピンチに馴染みの娼婦・千秋が浜やんの背中を押した!
※この物語はフィクションです。
◆単行本(四六判) 249頁 ソフトカバー
定価 1,500円+税
◆kindle版 1,250円(税込み)